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学習指導要領:外国語科改訂の趣旨と要点について🐈

 以下の文は、『中学校学習指導要領解説 外国語編』 (平成29年7月) の「第1章 総説」の「2 外国語科改訂の趣旨と要点」の一部をまとめたものである。

 

2 外国科改訂の趣旨と要点

(1) 改訂の趣旨

(2) 改訂の要点

 ① 目標の改善

 外国語科の目標は、(中略) 「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」の三つの資質・能力を明確にした上で、①各学校の学びを接続させるとともに、②「外国語を使って何ができるようになるか」を明確にするという観点から改善・充実を図っている。

 外国語の学習においては、語彙や文法等の個別の知識がどれだけ身に付いたかに主眼が行われるのではなく、児童生徒の学びの過程全体を通じて、知識・技能が実際のコミュニケーションにおいて活用され、思考・判断・表現することを繰り返すことを通じて獲得され、学習内容の理解が深まるなど、資質・能力が相互に関係し合いながら育成されることが必要である。

 このため、それらの育成を目指す力について、前述のような課題を踏まえつつ、外国語学習の特性を踏まえて「知識及び技能」と「思考力、判断力、表現力」等を一体的に育成するとともに、その過程を通して、「学びに向かう力、人間性等」に示す資質・能力を育成し、小・中・高等学校で一貫した目標を実現するため、そこに至る段階を示すものとして国際的な基準であるCEFRを参考に、「聞くこと」、「読むこと」、「話すこと(やり取り)」「話すこと(発表)」「書くこと」の五つの領域で英語の目標を設定している。その目標を実現するために行う口述の言語活動についても、CEFRを参照しながらその内容を設定している。

 今回の改訂では、小学校中学年に新たに外国語活動を導入し、三つの資質・能力の下で、英語の目標として「聞くこと」、「話すこと(やり取り)」、「話すこと(発表)」の三つの領域を設定し、音声面を中心とした外国語活動を図るコミュニケーションを図る素地を育成した上で、高学年において「読むこと」、「書くこと」を加えた教科として外国語を導入し、五つの領域の言語活動を通して、コミュニケーションを図る基礎となる資質・能力を育成することとしている。

👆解説🐱

 平成29年中学校学習指導要領では、目指すものが「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」の3つの資質・能力に分けて述べられており、それらを「一体的」に育成することを強調している。また、語彙や文法等の知識をどれだけ身に付けたかという結果ではなく、授業を「実際のコミュニケーション」の場とした「学びの過程」を重視していることも、大きな留意点である。

 CEFRは、Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessment の略で、「外国語の学習・教授・評価のためのヨーロッパ共通参照枠」と訳される。語学シラバスやカリキュラム手引きの作成、学習指導教材の編集、外国語運用能力の評価のために、透明性が高く、包括的な基盤を提供するものとして、平成13年に欧州評議会が複言語主義理念の下、発表した。学習者、教授する者、評価者が共有することによって、外国語の熟達度を同一の基準で判断しながら「学び、教え、評価できるよう」開発されたものである。

 国・地域により、その「共通参照レベル」が、初等教育中等教育を通じた目標として適用されたり、欧州域内の言語能力に関する調査を実施するに当たって用いられたりするなどしている。中でも、「話すこと」のやり取り(interaction)では、少なくとも2人以上の個人が言葉のやり取りをし、その際、産出的活動と受容的活動が交互に行われ、口頭のコミュニケーションの場合は同時に行われることもある。対話者が同時に話し、聞くだけでなく、聞き手は話し手の話を先回りして予測し、その間に答えを準備するなど、やり取りは言語使用と言語学習の中でも大きな重要性が認められることから、コミュニケーションにおける中枢的役割を果たしているとされている。

 CEFRでは、人間が言語を用いて行うタスク (CEFRでは人間の行動全般をいう) は、reception (受容)、interaction (やり取り)、production (産出) の3領域に分かれており、それらが総合的に「コミュニケーション活動 (Communicative Activities)」と呼ばれている。また、5つのタスクで示されている内容は communicative competeness (コミュニケーション能力)であり、linguistic competeness (従来の語彙・文法などの知識と技能)、sociolinguistic competence (社会的文脈などを考慮して言葉を使える力)、pragmatic competence (場面・状況・相手などを考慮して言葉を使える力) と定義されている。

 各種学校の入学試験などにおける外部試験の活用が進められている中、CEFRはそれらの試験の基準を示すためのものとしても、公的に導入され始めたものであるので、ぜひ覚えておきたい。🐈

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