平成28年12月の中央教育審議会答申において、「見方・考え方」が、各教科等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方として整理されたことを踏まえると、「数学的な見方・考え方」は、数学の学習において、どのような視点で物事を捉え、どのような考え方で思考を進めるのかという、事象の特徴や本質を捉える視点、思考の進め方や方向性を意味することと考えられる。
また、答申において、「既に身に付けた資質・能力の3つの柱によって支えられた「見方・考え方」が、習得・活用・探求という学びの過程の中で働くことを通じ津、資質・能力がさらに伸ばされたり、新たな資質・能力が育まれたりし、それによって「見方・考え方」がさらに豊かなものになる、という相互の関係にある」と示されたことを踏まえ、「数学的な見方・考え方」は、数学的に考える資質・能力の3つの柱である「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」及び「学びに向かう力、人間性等」の全ての育成に働くものと考えられる。
さらに、「数学的な見方・考え方」は、数学の学習の中で働かせるだけではなく、生活の中で数学を用いる場合にも重要な働きをするものと考えられる。数学の学びの中で鍛えられた見方・考え方を働かせながら、世の中の様々な物事を理解し思考し、よりよい社会や自らの人生を創り出していくことが期待される。
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