第0章:高等学校段階における数学科の目標について🐈
教科の目標の改善に当たっては、平成28年12月の中央教育審議会答申の内容を踏まえるとともに、高等学校における数学教育の意義を考慮し、小学校、中学校及び高等学校での教育の一貫性を図り児童生徒の発達に応じた適切かつ効果的な学習が行われるように配慮した。ちなみに高等学校段階における数学科の目標は以下に示されるとおりである。
数学的な見方・考え方を働かせ、数学的活動を通して、数学的に考える資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 数学における基本的な概念や原理・法則を体系的に理解するとともに、事象を数学化したり、数学的に解釈したり、数学的に表現・処理したりする技能を身に付けるようにする。
(2) 数学を活用して事象を論理的に考察する力、事象の本質や他の事象との関係を認識し統合的・発展的に考察する力、数学的な表現を用いて事象を簡潔・明瞭・的確に表現する力を養う。
(3) 数学のよさを認識し積極的に数学を活用しようとする態度、粘り強く数学的論拠に基付いて判断しようとする態度、問題解決の過程を振り返って考察を深めたり、評価・改善したりしようとする態度や創造性の基礎を養う。
今回の改訂では、高等学校数学科の目標を、(1) 知識及び技能、(2) 思考力、判断力、表現力等、(3) 学びに向かう力、人間性等の三つの柱に基付いて示すとともに、それら数学的に考える資質・能力全体を「数学的な見方・考え方を働かせ、数学的活動を通して」育成することを柱書に示した。すなわち、高等学校数学科の目標をなす資質・能力の三つの柱は、数学的な見方・考え方と数学的活動に相互に関連をもたせながら、全体として育成されることに配慮することが必要である。本章以降、高等学校数学科の目標を大きく6つに分けて解説する。
|
|
|