急激な社会の変化に伴い、家庭や地域の教育力が低下したことで、いじめや暴力行為が増加するなど、子どもの心を豊かに育むことが重要となっている。各教職員は、「特別の教科 道徳」への取り組みを学級経営の根幹に位置付け、計画的な指導を進めることが期待されている。(高校の場合、「総合的な探究の時間」で代用するのが良い。)学級での活動と関連させ、計画的に指導することで、子どもの心は豊かに育つとみなされている。
まず、学校の年間指導計画をもとに、学級の子どもの実態に合わせて道徳指導計画を作成することが考えられる。そして、「私たちの道徳」の活用を図り、学校生活の問題を話し合わせ、自らの行動を見つめ直す教育を積み重ねる、ということを意識することが必要である。
次に、子どもの道徳的実践力をしっかり観察し、その子の良いところを励ます温かな評価を行うことが大切である。子どもの良い点や進歩の状況を記述し、他と比べたりせずに、意欲を向上させ、子どもを多面的・多角的に理解し道徳性を高める意欲の向上を図る個人内評価を行うようにする。学年で話し合い、評価に取り組む活動を重ね。信頼される評価になるように努めることが肝要である。
さらに、家庭・地域と連携して道徳教育に取り組むことで、道徳教育の日常化を進めることが求められる。子どもの日常生活を見直すことで、心情も豊かなものになると思われる。保護者会や学級だよりを活用し、道徳教育への取り組み方を保護者や地域に発信することも手段の一つである。加えて、保護者会で「特別の教科 道徳」の授業を公開し、授業を基に話し合い、道徳教育の進め方について保護者の理解を得ることも有効といえる。このとき、学校での取り組みを家庭でも話題にしたり、学校で学んだことを生活のなかで活用してもらうなどして、家庭との連携を深めることも有益である。
教職員は子どものがんばりを認め励ます、「特別の教科 道徳」の評価を活用し、家庭の協力も得て継続的に取り組み、子どもの実践意欲を高めていくことが必須と言える。また、自らも道徳心向上のため、地域や先人から学び続けるとともに、教材研究も行い、道徳指導の充実を念頭におくことが理想とされているようである。
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