令和義塾🛡中高生・高卒生・教員・留学志望者のための学習塾

仕事をしている人が意識する方が良いことや、我が国の在り方の改善策について述べるかも🐈

「地味なことを確実に。」

私が少年期から思春期に移ろうとしていた時期の我が国は、オウム真理教による地下鉄サリン事件阪神大震災など、とにかく世相が暗い印象があった。阪神大震災にいたっては、住んでいたところと近かったこともあり、夜中に家全体が揺れて「なんだなんだ?」と思ったものだ。そんなこんなで、なんとなく厭世観が漂い始めていた。

当時、野茂英雄さんが渡米し、メジャーに旋風を巻き起こすことになるのだが、我が国においてはイチローさんを抜きに語れないところがある。イチローさんは、オリックスブルーウェーブ(今は、近鉄バッファローズオリックスブルーウェーブが合併し、オリックスバッファローズとなっている)に在籍していて、平成6年(西暦1994年)に彗星のごとく現れた。巨人に在籍していた松井秀喜さんは、高校在籍時から騒がれていたが、イチローさんは、本当に彗星のごとく出てきた印象がある。(もっとも、愛知県では目立つ選手だったようで、目の良いスカウトは、目をつけていたようだが、それでもオリックス入団時はドラフト4位だった。)有力な予想を押しのけ、あれよあれよと首位打者を獲得し、NPB史上初の200本安打も容易に達成した感がある。

そのシーズンから平成7年のシーズンに入るときに、阪神大震災が起こり、私の氣持ちは真っ暗な感じであったら、オリックスのリーグ優勝で幾分明るい心持ちになった。日本シリーズでは、ヤクルトスワローズの前に惜しくも日本一を逃したが、翌年の平成8年の日本シリーズで、巨人を相手に堂々の日本一を達成した。

私は単純なので、こういうことで元氣付いたのだが、あのときにイチローさんやオリックスがいなかったら、世相も暗いままだったのではないか?日本中かどうかはわからないが、近畿やそれに近い中国・四国などは、オリックスを応援していたと思う。

イチローさんの言葉で印象に残るものがある。それは「目を見張るようなファインプレーが勝利に結びつくことは少ないです。一見地味に見えるプレーを確実にこなすことができるチームは強いと思います。」と言うものだ。これについては、最近確かになと思うことがある。精神論や「何事も心」などのような物言いだけでは、問題は解決しない。まずは穴をなくすことが先決だ。野球でも「打ちまくって勝つ」を標榜するチームは、意外とコロッと負ける。「打たせて取る」など、守備を鍛えている地味なチームがあっさり優勝していくのを多々見てきた。

なお、イチローさんは、平成13年(西暦2001年)のシーズンからメジャーリーグに移籍し、ルーキーイヤーでも首位打者を獲得する。NPB時代の7年連続の首位打者達成も前人未到というか、空前絶後だが、メジャーの主要打撃タイトルを獲得する日本人は、今後出てこないのではないかと思う。むろん出てくるのなら、それはそれでぜひ見たい。