令和義塾🛡中高生・高卒生・教員・留学志望者のための学習塾

仕事をしている人が意識する方が良いことや、我が国の在り方の改善策について述べるかも🐈

英語指導法その4🐈

『新学習指導要領にもとづく英語科教育法 第3版』を読んで学んだことを以下に述べた:

 今回、5つの領域のうち読解についてとりあげる。この分野を取り上げる理由についてであるが、我が国の高校入試や学部入試における英語の試験において、比重が一番高いのは読解である。そのため、読解指導の知見を深めることは、生徒や自身にとって最も有益であると考えたからである。もちろん、リスニングや作文などの他分野が無意味と主張しているのではなく、それらも読解力の向上に役立つ。また、読解力向上が、リスニングや作文、会話などといった他分野における英語力向上にも資することは、指導者であれば理解しているところであろう。

 はじめに、我が国の中学校や高等学校で行われている、いわゆるよくある指導方式について一度考えておきたい。これに関しては、教科書の第12章「リーディング」を一読し、掲載されている指導方法を確認はしたが、該当するような指導は自分が中学生や高校生のときは、あまりなされていなかったと記憶している。p.141からp.142にかけて解説されている「あらすじや概要・要点をつかむ読みの指導」は、高校3年生の12月にセンター試験の過去問を用いて、センター試験本試験の直前期にこの形式で一応行われてはいた。このときの授業は、指導者が英語授業の後半に日本語で問題文を読み、「これは書いていない」「これは書いてあった」などというだけで、生徒からは不評の声が大きかった。自分が受けた英語教育の中で最も印象が強い期間は渡英してから大学に入るまでの期間に学習していた時期である。この期間はELCOS (English Learning Course for Overseas Student)に所属したのであるが、このコースでの授業形態は、教科書第7章「英語教授法」のp.85からp.87にかけて解説されている「コミュニカティブ・ランゲージ・ティーチング」であった。全体的な印象は、教科書に記載されている言葉を用いると「文法構造でなく内容に注意の焦点が置かれていること(ポイント1とする)」「学習者が言語をただ1つの文法構造として捉えるよりはむしろ聞いたり読んだり、または話したり書いたりして言語をいろいろ扱えること (ポイント2とする)」(p.86.) の部分が妥当である。ELCOSでの課題の一つに「自分が専攻する予定の学問分野において、現在関心のある題材について書籍や文献などで調べ、まとめたうえで発表する」というものがあった。この方法について、教科書の章から要点を引用するとすれば、第4章「学習者」・第5章「英語教員」・第12章「リーディング」が適当であろう。第4章からは「学習者の興味や関心を喚起 (ポイント3とする)」(p.45.)が実感したことである。第5章からは「生徒に常に共感的態度で接し、誰をも受け入れることのできる「懐の深さ」(ポイント4とする)」(p.50.)が大切であるといえる。前述したELCOSの指導者でこういう方が1人おり、人間的にも見習う点が多いと思った。こういう指導者の人格という要素は、学習者にとってプラスに作用するのではないだろうか。第12章からは「英文読解の力をつける近道は多読である。多読が速読にもつながっていく (ポイント5とする)。」(p.140)が実際に有効といえる。1つのことを解説している文章をうまく把握できない場合でも、他の記述で同じ対象について述べているものを読むと、内容の把握が進むことがあった。

次に実体験に基付いて、上記の方法及びどのような学習法が英語において有用であったかについて述べておきたい。英語ネイティブの講義に混じって学習をするという状況下で、出される課題の量が来週までに書籍の40ページなどというのが3、4講座あり、「英語だけを読んで内容を把握する方法」では時間的に無理ということを体感した。確かに前述で詳細を述べた「自分の関心のあることについて調べる」という方法は、英語力を付ける点においては有効ではあった。しかし、あまりに量が過大になると、処理しきれない。そのときに役だったのが「先に日本語で科目の内容をつかみ、その後で全体をざっと読み、必要な箇所を複数回読んで、英語で表現できるようにする」という方法である。これに関しては、柴田 (2019)も、「英文を日本文に訳させることに時間をかけるのでは無く、最初に日本語を渡してしまって、授業は言語活動を中心にするという考え方は、当初は戸惑ったが、実際に試してみると非常に効率的だと感じた。」と述べている (柴田 曜子著. 2019年.「英語科指導法の変遷と求められている力』<https://core.ac.uk/download/pdf/230005239.pdf> (2022年10月1日閲覧)) 。この方法は上記に挙げたポイントの1から3と関連する。学習者は学習意欲が高いとは限らない。読解をするのが難解な英文が続けば、内容に関心を持てなくなることも少なくない。よって先に意味の把握しやすい日本語で趣旨を理解することは、学習意欲を保つ点で有効である。ポイント4に関しては、学習者へ積極的な態度が必要とされる。これについてはUrban (2004) が「There are programs that promote positive language now operating successfully all over the country. Many are school-wide plans that have dramatically improved campus life, while others are the ingenious ideas of dedicated and caring classroom teachers.」(Urban, H. (2004). Positive Words, Powerful Results: Simple Ways to Honor, Affirm, and Celebrate Life, p.)と述べている。実際の指導に際しても、学習者が指導者を嫌っている場合よりも好感を持っている、少なくとも嫌っていない場合の方が学習効果は高い場合が多かった。ポイント5については、参考文献に示した斎藤 (2003)をはじめとし、多くの指導者が「多読が英語上達の近道」なる趣旨の発言をしている。実際に明治の英語達人たちも大学図書館に置かれている教科書を読破したという者も数名いる (齋藤兆史著. 2003年.『日本人に一番合った英語学習法』pp.28-pp.37)。これらの例では新渡戸稲造鈴木大拙の学習法が挙げられていた。なお、当時の教科書は英語で書かれている。現代において当時の英語達人ほどの英語の使い手がいない、いても数少ないという状態なので、当時の英語達人の方法を現代のものよりも劣っていると見なす人もいるが、甚だ根拠に乏しいと言わざるを得ない。

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