令和義塾🛡中高生・高卒生・教員・留学志望者のための学習塾

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英語指導法その3🐱

『授業力アップのための英語授業実践アイディア集(開拓社)』を読み、最も強い印象を受けた活動を3つ取り上げた。

導入:以下で取り上げる授業例は、受験で必要な能力を鍛えるという観点で選び、それぞれリスニング・読解・作文を伸ばすためのものである。もちろん下記でとりあげた授業形態以外でも、該当の能力を伸ばせることの方が多く、また取り上げた授業が他の能力を伸ばすことも充分に考えられる。これは言語という特性上、すべての能力を同時に伸ばしていくことが妥当かつ合理的であるので、実感として納得される方が多いと考える。  

活動1:①はじめに注目したのは教科書第2章の9にある「文をつなぐ関係代名詞」である。教科書全体を一読して考えたことは、この教科書にはリスニングについての章がないということであった。リスニングは言語学習の基盤ともいえるもので、それがないということはいわゆるネイティブスピーカーが英語を習得する手順を前提にしてはいないという考えで本が書かれているとの感想をもった。それゆえ注目するのは、まずはリスニング分野にしようと考えた。この活動を利用する場合、リスニング能力向上を念頭において指導にあたりたいと思う。対象とする学年は、主に中学3年生と高校1年生である。私が英国滞在時の4年半でよく思ったことは「ネイティブスピーカーは関係代名詞を多用する」ということであった。何かを発信したあと、補足説明で関係代名詞を使うということに気がつき、当時から関係代名詞には注目をしていた。  

活動1:②ここでは音声と語彙に注目した。中学校学習指導要領を見ると、「第2 各言語の目標及び内容等 英語 2内容〔知識及び技能〕 (1)英語の特徴やきまりに関する事項 ア 音声 次に示す事項について取り扱うこと。」において「(オ) 文における基本的な区切り」(文部科学省. 2017年.『中学校学習指導要領 (平成29年告示)』p.146.)とある。また高等学校学習指導要領を見ると、「第2款 各科目 第1 英語コミュニケーションⅠ 2 内容 〔知識及び技能〕 ア 音声」において、「(ウ)文における区切り」(文部科学省. 2018年.『高等学校学習指導要領 (平成30年告示)』p.164.)とある。関係代名詞を用いた文は、長いと思われ文を区切って適切な長さにしながら使うという特徴もある。よってこの活動は中高双方の学習指導要領に合致していると言える。」  

活動1:③この活動でICTを利用する場合、YouTubeなどの動画を視聴する方法取り入れることができる。使用するにあたり、指導者は動画を前もって視聴しておき、関係代名詞が使われているフレーズを書き出し、それをプロジェクターに投影するという手法も併用できる。  

活動1:④関係代名詞を用いた作文を適切に書けるかどうかを作文試験形式で指導者が確認する。その際、関係代名詞を適切に使われているかということを中心に採点をし、他の文法や語彙などについても採点を行うとよい。 

 

活動2:①次に注目したのは教科書第4章の3にある「和訳を利用したスラッシュ・リーディング」である。高校を卒業して英国の大学に進学したときに、そこで直面したのが課題の多さとそれに伴う英語での読書量をこなすことであった。日本語ほど慣れることは絶対にない英語での膨大な読書量を前に、まず自分が考えたのは「先に母言語である日本語を用いて内容の全体像を把握し、ある程度充分と実感できる知識を頭に入れた上で英語の本や文献を読む」という方法であった。この方法は、初めは読解による内容把握を意識し、しだいに書くことを中心とした表現を意識していくと英語上達に役立つ。対象学年は高2・高3である。  

活動2:②ここでは文字と表現に注目した。高等学校学習指導要領を見ると、「第2款 各科目 第2 英語コミュニケーションⅡ 2 内容 〔思考力、判断力、表現力等〕(2) 情報を整理しながら考えなどを形成し、英語で表現したり、伝え合ったりすることに関する事項」において、「ウ 読むこと (イ)社会的な話題について、必要に応じて、別の語句や文での言い換えや、書かれている文章の背景に関する説明などを聞いたり読んだりしながら、論証文や報告文などから必要な情報を読み取り、概要や要点、詳細を把握する活動。また、読み取った内容を基に考えをまとめ、話したり書いたりして伝え合う活動」(文部科学省. 2018年.『高等学校学習指導要領 (平成30年告示)』p.169.)とある。よって今回取り上げた方法は学習指導要領に合致しているといえる。英語だけで理解をしていくようにとは書かれていないので、適宜日本語を使うことも問題はないであろう。

活動2:③この活動では日本語と英語で書かれている本が教材として有用である。ICTを用いる場合は、題材となっているものを映像教材やYouTubeなどで視聴することも有効である。実際に私が見た授業では、教科書で扱った内容について、YouTubeを単元の終わりに日本語で視聴させていた。  

活動2:④すでに生徒は内容を英語と日本語で把握しているので、英文を渡して日本語訳を書かせるよりも、日本語で書かれている文章を提示し、その英語訳を書かせるのが評価方法としては適切である。評価形式としては、和文英訳と英語での作文が考えられる。自由英作文が難しいと思われる場合、穴埋め形式にして、適切な英語の語句を書かせる方法でも良いであろう。

 

活動3:①最後に注目したのは教科書第5章の3にある「ご当地カルタを作ろう」である。これは学習指導要領にも見られる「郷土を愛し」という記述を知っていたので、この指導法が印象に残った。自分自身も英国で、現地の英国人に我が国日本への愛国心を教えてもらったという経緯もあり、それらもこのご当地カルタを作るという方法がよいと思えたという側面もある。この活動では力を伸ばすことを意識するメイン分野は作文である。それに伴って文法習得や異文化理解もできれば、より望ましい。対象学年は高1である。  

活動3:②ここでは作文の訓練、および文法習得と異文化理解に注目した。高等学校学習指導要領を見ると、「第2款 各科目 第1 英語コミュニケーションⅠ 2 内容 (3)言語活動及び言語の働きに関する事項 ①言語活動に関する事項」において、「カ 書くこと (イ) 社会的な話題について、使用する語句や文、文章例が十分に示されたり、準備のための多くの時間が確保されたりする状況で、対話や説明などを聞いたり読んだりして、情報や考え、気持ちなどを理由や根拠とともに段落を書いて伝える活動。また書いた内容を読み合い、質疑応答をしたり、意見や感想を伝え合ったりする活動。」(文部科学省. 2018年.『高等学校学習指導要領 (平成30年告示)』p.166.)とある。今回取り上げた方法は学習指導要領に半分程度合致しているといえる。合致していない部分は、「段落を書いて伝える」という部分である。カルタなので、複数段落の文章というのは不適切で、比較的短い文章が望ましいといえるだろう。

活動3:③この活動では、観光地の場合は地域の観光名所にあるパンフレットが有用である。生徒の居住地域が観光地として有名ではない場合でも、例えばLonely Planetのような英語で書かれているガイドブックやGoogleなどの検索ウェブサイトを利用することにより学習効果を高める方法が考えられる。そういう点で、ICTはこの活動においても有用である。  

活動3:④この活動でも日本語で書かれている文章を英語に訳す方法が評価方法の一つとして挙げられる。またカルタということで、作成した英文を暗唱する、いわゆる「暗唱テスト」も有効であろう。このテストを実施する際は口述試験とし、生徒が指導者の前で何も見ずに暗唱したものを言えるかどうかを確認するのが望ましい。

 

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