令和義塾🛡中高生・高卒生・教員・留学志望者のための学習塾

仕事をしている人が意識する方が良いことや、我が国の在り方の改善策について述べるかも🐈

今日国際共通語となった英語についての概観

 英語の地理的広がりに関しては、一般的には「英国人が北米大陸に入植したことを始めとし、英国や米国が経済や軍事において世界の覇権を取っていくことと並行し、全世界に英語が広まっていった」という認識が持たれているようである。

 

○英語の歴史的変遷

平賀 (2016)によると英語は歴史的には「古英語 (Old English)、中英語 (Middle English)、近代英語 (Modern English)、現代英語 (Present-day English)」に分類されている (平賀正子. (2016). 『ベーシック 新しい英語学概論』, ひつじ書房, p. 31.) 。

古英語はアングロサクソン人が使用していた言語が基となり、形成されていったようである。そしてヴァイキングブリテン島に侵入し、古英語は屈折語尾を多く持つ言語から、語尾が水平化しているものへと変化していった。

中英語が使われていた時代は、支配階級はフランス語、学問分野はラテン語と、一般民衆が使う英語との三言語併用の時代となっていた。しかしながら、英語使用話者が圧倒的多数という状況でもあった。この時代のキーマンと言えるのは、「英語詩の父」と称されるチョーサーとロンドンに印刷所を開設したキャクストンであり (平賀. 2016)、彼らの業績がロンドン英語拡大の要因となった (平賀正子. (2016). 『ベーシック 新しい英語学概論』, ひつじ書房, p. 34.) 。俯瞰すると古英語から中英語への変遷は語彙の面で起こったといえる。

近代英語形成及び拡大の要因となったのは、シェイクスピア欽定訳聖書である(平賀正子. (2016). 『ベーシック 新しい英語学概論』, ひつじ書房, p. 35.) 。シェイクスピアは現代でも用いられる言い回しを多数残し、欽定訳聖書は平易な英語で聖書の教えを広く英国国民に伝えることに大きな貢献をした。そして産業革命を経る中で、英国はその領土を北米、アジア、アフリカと拡大していった。この領土拡大時、英語は現地の語彙も吸収し、より多様な要素を持つ言語となっていった。

現代英語は、経済や軍事などの覇権を英国が取り、そしてその覇権が米国へと移っていく中で世界中に拡大していった。米国の言語である英語、いわゆるアメリカ英語が世界中に広まっていき、世界全体で英語が共通語となっているという状況である。

 

○英語の現在の状況

現代英語は世界中で使用されているのは前述の通りであるが、使われている英語の深さに関しては母語話者として使用している者、第二言語として使用している者、外国語として使用している者というように分類されている(平賀正子. (2016). 『ベーシック 新しい英語学概論』, ひつじ書房, pp. 15-22.) 。この中で注目されていたのは、第二言語として英語を使用しているシンガポールであった。シンガポールでは、母国語として英語を使用する者の英語とはかなり変化した英語が使われるようになったことから、母国語としての英語をモデルとする、いわゆる「良い英語を話そう」という流れも起こったようである(平賀正子. (2016). 『ベーシック 新しい英語学概論』, ひつじ書房, p. 27.) 。

 

○考察

次に、考察をこれから述べるわけであるが、国際共通語を英語とすることのメリットとデメリットを整理したうえで述べるほうが、ただ単にこの英語の国際共通語化の流れに賛成もしくは反対と主張するよりも建設的であるのではないかと考える。賛成・反対の二元論だと、感情も入るので、メリット・デメリットを述べることにする。

国際共通語を英語とすることのメリットについては、英語が既にネイティブスピーカーではない者同士の間で使用されているので、このまま英語を使用するほうが無駄な労力を使うことが少ないことが挙げられる。

国際共通語を英語とすることのデメリットは、もともと英語を使用している者や言語学的に英語に近い言語を母言語として話す者には有利だが、そうではない者には負担が大きく不利ということが挙げられる。ただ、国際共通語としての現在の英語に替わりうる言語としてエスペラント語のような言語も提唱・考案されてはいるが、この言語も例えば東洋諸言語よりも印欧諸語の特徴を多く持ち、現在の英語を国際共通語として使用する際のデメリットがなくなるわけでもない。よって、エスペラント語を世界的な共通語とするように各国が協定などを結ぶ場合であっても、不公平感がなくなる訳ではない。

以上、国際共通語としての英語とそれへの考察を述べてきた。エスペラント語のように、自然発生の言語ではなく人工言語が提唱されたこともあるが、そのような人工言語が現在の英語のように広く世界中で学習および使用されているとは言いがたい。かといって、例えばフランス語や日本語など、英語ほど世界中に広まっているわけでもない言語を国際共通語として設定するのも、現実的には無理がある。結局、英語を外国語としてとらえている人間や文化圏どうしのやりとりを英語で行うことが大多数を占める以上、英語を国際共通語として使用することが現実的かつ妥当であると言えるのではないだろうか。

 

参考文献:

Wikipedia, 「国際共通語」と検索https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%B1%E9%80%9A%E8%AA%9E#:~:text=5%20%E9%96%A2%E9%80%A3%E9%A0%85%E7%9B%AE-,%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%85%B1%E9%80%9A%E8%AA%9E,%E3%82%82%E3%81%97%E3%81%8F%E3%81%AF%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%81%A8%E5%91%BC%E3%81%B6%E3%80%82 2022年9月18日参照

 

平賀正子 『ベーシック 新しい英語学概論』 ひつじ書房 2016年

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

(取寄) ゴードン ラッシュ メンズ オースティン Gordon Rush men Austin Taupe Suede
価格:68280円(税込、送料別) (2022/10/10時点)

楽天で購入

 

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

(取寄) ゴードン ラッシュ メンズ オースティン Gordon Rush men Austin Espresso
価格:68280円(税込、送料別) (2022/10/10時点)

楽天で購入