令和義塾🛡中高生・高卒生・教員・留学志望者のための学習塾

仕事をしている人が意識する方が良いことや、我が国の在り方の改善策について述べるかも🐈

チョコレート工場に隠れた名作🐱

 Roald Dahl の作品Charlie and the Chocolate Factoryは、映画化されており、当時の英国においてHarry Potterシリーズと同じく、人気であった。本作品Matildaは、同じ作者による作品である。今回Matildaに関する考察をするわけであるが、前述の映画化された作品に出ていた主人公Charlieと本作の主人公Matildaとの比較をし、両作品および作品内における登場人物の類似点・相違点等を述べていく。作品間・登場人物間の比較をする方が、より正確かつ多面的にMatildaを考察できると考えたためである。

まず、作品間の比較であるが、両作品ともにいわゆるハッピーエンドで終わる結末となっている。Charlie and the Chocolate Factoryのあらすじは、極貧ともいえる貧乏な家庭の主人公Charlieが、主人公を含め5人の子どもたちの中から、チョコレート工場の次期工場長として選出されるというものである。Matildaのあらすじは、天才的な知能・知性を持つ主人公Matildaが、良き理解者であるHoney先生というきっかけをつかみ、自分の意思で幸せな生活を送る状況になるというものである。いずれもどんでん返しのサクセスストーリーといえ、ディズニー作品やハリウッド映画に通じるものがある。

 ここで、Roald Dahlによる両作品における主人公同士の比較をしておきたい。CharlieとMatildaの類似点は、2人とも一般的にいう良い性格をしているという点である。Charlieは、極貧ともいえる状態を嘆くこともなく、自分への誕生日プレゼントとして贈られたチョコレートを家族と分けて食べようとするなど、家族愛に満ちた少年として描かれていた。Matildaはというと、本作品のp70からp73にかけて、MatildaとHoney先生のやりとりが描かれている。Matildaが極めて優秀な数理処理能力を示し、Honey先生が驚嘆する場面である。また、「The nice thing about Matilda was that if you had met her casually and talked to her you would have thought she was a perfectly normal five-and-a-half-year-old child. She displayed almost no outward signs of her brilliance and she never showed off.」 (Dahl, Roald (2016). Matilda. Puffin. P101.)  とあるように、自身の持つ学力をひけらかすことなく、他の一般的な5,6歳児と変わらない様子であることが分かる。このように、CharlieとMatildaはともに人に好かれる性格であることが分かる。

一方、2人の相違点はといえば、Charlieは、多少受け身な印象を受ける方も多いのではないだろうか。Charlieは自分からは特に何も働きかけることはなく、チョコレート工場の次期工場長に内定した。Matildaはというと、「I want to live here with you.”」(Dahl, Roald (2016). Matilda. Puffin. P101.)  とHoney先生に訴えている。Matildaは、聡明さと謙虚さに加え、積極性も持っていることが読み取れる。これはつまり、積極的に自分の人生を変えようとしていることであり、現代の子どものみならず、大人も持っておきたい性質である。

また、両作品に出てくる登場人物について比較しておきたい。Charlieの周りの登場人物で、悪意がある、もしくは工場長の言うことを聞かない者として描かれているのは、Charlie以外の子どもたちである。最終的には全員命を取られることはないものの、ある程度の懲らしめを与えられていた。Matildaの周りの登場人物はというと、悪意を持って描かれていたのは、Matildaの両親や校長であった。児童文学においては、多くの作品が読者への教訓があり、本作品Matildaもそれに属するものといえる。

 以上、MatildaをCharlieと比較し、述べてきた。両者ともに、いわゆるハッピーエンドで終わる主人公と言うことで、両作品とも児童文学として適しているといえる。児童文学は、幼少期や少年期の子女に生きていくうえでの希望を与えるものでなければいけないというのが、一般的な意見である。ハッピーエンドで終わり、加えて自分の意見を持って行動できる主人公Matildaは、令和に入って激動の時代を生きていくこれからの子どもたちや大人たちにとって、一種の見本となってくれるのではないだろうか。本作Matildaは、子どもたちだけではなく、むしろ大人にこそ読んでほしい作品である。

 

参考文献:

Dahl, Roald. Charlie and the Chocolate Factory, London. Puffin. 2010

Dahl, Roald. Matilda, London. Puffin. 2016

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