学習指導要領改訂の基本方針②(平成終盤から令和序盤にかけて)
今回の改訂では、育成を目指す資質・能力の明確化が図られたことにある。平成28年12月の中央教育審議会答申においては、 予測困難な社会の変化に主体的に関わり、感性を豊かに働かせながら、どのような未来を創っていくのか、どのように社会や人生をよりよいものにしていくのかという目的を自ら考え、自らの可能性を発揮し、よりよい社会と幸福な人生の創り手となる力を身に付けられるようにすることが重要であること、こうした力は全く新しい力ということではなく学校教育が長年その育成を目指してきた「生きる力」であることを改めて捉え直し、学校教育がしっかりとその強みを発揮できるようにしていくことが必要とされた。また、汎用的な能力の育成を重視する世界的にあ潮流を踏まえつつ、知識及び技能と思考力・判断力・表現力等とをバランスよく育成してきた我が国の学校教育の蓄積を生かしていくことが重要とされた。
このため「生きる力」をより具体化し、教育課程全体を通して育成を目指す資質・能力を、
①「何を理解しているか、何ができるか(生きて働く「知識・技能」の習得)」
②「理解していること・できることをどう使うか(未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力等の育成」)」
③「どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか(学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力・人間性等」の涵養)」
これら3つの柱に整理するとともに、各教科等の目標や内容についても、この3つの柱に基付く再整理を図るよう提言がなされた。
今回の改訂では、知・徳・体にわたる「生きる力」を生徒に育むために「何のために学ぶのか」という各教科等を学ぶ意義を共有しながら、授業の創意工夫や教科書等の教材の改善を引き出していくことができるようにするため、全ての教科等の目標や内容を「知識及び技能」、「思考力・判断力・表現力等」、「学びに向かう力・人間性等」の3つの柱で再整理した。
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