もこべえ数学・社会塾

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平成28年度・29年度に改定された学習指導要領の基本方針3点🐈

 昨今の時代はグローバル化人工知能(AI)等の技術革新が急速に進み、予測困難と言われている。そのようなこれからの時代において、児童・生徒のみならず学習者には、自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、自ら判断して行動し、より良い社会や人生を切り拓いていく力が求められる。学校での学びを通じ、子どもたちがそのような「生きる力」を育むために、学習指導要領が約10年ぶりに改訂された。それに伴い、令和2年度より小学校から順に実施されることとなった。小学校では中学年から「外国語教育」を導入、小学校における「プログラミング教育」を必修化するなど社会の変化を見据えた新たな学びへと進化した。

 

 Q1. 新しい学習指導要領はいつから始まるの?

 A.  小学校は令和2年度、中学校は令和3年度、高等学校は令和4年度から:

 「学習指導要領」は、文部科学省が定める教育課程(カリキュラム)の基準であり、全国どこの学校でも、学習指導要領に基付き教育課程(カリキュラム)が編成される。この学習指導要領は、時代の変化や子どもたちを取り巻く状況・社会のニーズなどを踏まえ、約10年ごとに改定されており、教科書なども学習指導要領の改訂を受けて変わる。

 新しい学習指導要領は、小学校では令和2年度、中学校では令和3年度から全面実施、高等学校では令和4年度の入学生から年次進行で実施されることになっている。(なお、幼稚園では平成30年度に新しい幼稚園教育要領が実施されており、特別支援学校では、小・中・高等学校学習指導要領に合わせて実施される。)

 

 Q2. なぜ学習指導要領が改定されるの? 

    A. 変化の大きい時代に合わせるため:

 近年、グローバル化スマホの普及、ビッグデータ人工知能(AI)の活用などにより技術革新が進んでいる。10年前までは考えられなかったような大きな変化が起きており、今後も社会の変化はさらに進むであろう。

  海外の専門家の中には、「今後10~20年程度で、半数近くの仕事が自動化される可能性が高い」、「2011年度(平成23年度)に米国の小学校に入学した子どもたちの65%は、学部卒業時に彼らが小学生の頃には存在していなかった職業につくであろう」などと述べる人もいる。進化したAIが様々な判断を行ったり、身近な物の働きがインターネット経由で最適化される時代が到来し、社会や生活を大きく変えていくとの予測がされている。

 このように社会の変化が大きく、未来の予測が困難な時代の中で、子どもたちには、変化を前向きに受け止め、社会や人生を、人間ならではの感性を働かせてより豊かなものにしていくことが期待されている。

 子供たちが学校で学ぶことは、社会と切り離されたものではない。社会の変化を見据えて、子どもたちがこれから生きていくために必要な資質・能力を踏まえて学習指導要領を改定している。

 

 Q3.新しい学習指導要領で育む資質・能力とは?

 A. 「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性等」:

 新しい学習指導要領では、教育課程全体や各教科等の学びを通じて「何ができるようになるのか」という観点から、「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力、人間性等」の3つの柱からなる「資質・能力」を総合的にバランスよく育んでいくことを目指している。

 「知識及び技能」は、個別の事実的な知識のみでなく、習得した個別の知識を既存の知識と関連付けて深く理解し、社会の中で生きて働く知識となるものも含むものである。そして、その「知識及び技能」をどう使うかという、未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力等」、学んだことを社会や人生に生かそうとする「学びに向かう力・人間性等」を含めた「資質・能力」の3つの柱を、一体的に育成する。

 

 Q4. 新しい学習指導要領の下で学ぶ内容は?

 A. 「外国語教育」や「プログラミング教育」等が充実する:

 これからの子どもたちは、グローバル化や情報化等による社会の変化に対応し、また自分たちを取り巻く様々な社会の課題に向き合い、解決しようとする力が必要である。

 そのような資質・能力を育むために、新たな学習指導要領では、小学校段階から中学校段階・高等学校段階を通じて、次のような教育の充実を図る。

・言語能力の育成 

 言語能力は全ての学習の基盤となる力である。国語だけでなく他の教科等でも、レポートの作成や議論等の言語活動を行い、教育課程全体を通じて言葉の力を育む。

・外国語教育

 小学校3・4年で「外国語活動」が、小学校5・6年ど教科としての「外国語」が導入される。高等学校卒業までに外国語でcommunicationできるようになることを目指し、「聞く」「読む」「話す」「書く」の力を総合的に育む。 

・プログラミング教育

 小学校では「プログラミング教育」が必修化される。コンピュータに意図した処理を行わせるための論理的な思考力「プログラミング的思考」等を育む。また、中学校においてプログラミングに関する内容を充実するとともに、高等学校では必履修科目「情報Ⅰ」を新設し、全ての生徒がプログラミングの他、ネットワークやデータベースの基礎などについて学習する。

・理数教育の充実

 観察・実験等による科学的に探究する学習活動や、データを分析して課題を解決するための統計教育を充実する。

・道徳教育

 様々な課題に「自分ならどうするか」と向き合い、自分とは異なる意見を持つ他者と議論する授業などを通じて道徳性を育む。小・中学校では「特別の教科 道徳」が新設される。

・伝統や文化に関する教育

 我が国や郷土が育んできた伝統や文化を学ぶ。

・主権者教育

 選挙権年齢が18歳に引き下げられ、令和4年度からは成年年齢が18歳に引き下げられる。高等学校では、公民科に全ての高校生が学習する必履修科目「公共」を新設する。一人一人が主権者意識を持ち、社会の中で自立し、他者と連携・協働して社会に参画していく力を育む。

・消費者教育

 令和4年度から成年年齢が18歳に引き下げられ、18歳から一人で有効な契約ができるようになる一方、保護者の同意を得ずに締結した契約を取り消すことができる年齢が18歳未満までとなることから、自立した消費者を育むため、契約の重要性や消費者の権利などについて学習する。

 このほかにも、「体験活動」「起業に関する教育」「金融教育」「防災・安全教育」「国土に関する教育」等の充実が図られる。

 

 Q5. どのように学ぶのか?

 A. キーワードは「主体的・対話的で深い学び」の視点:

 前述Q3とA. で述べたような資質・能力を育むために、新しい学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学び(active learning)」の視点からの授業改善を重要視している。それでは、主体的・対話的で深い学びの視点とは、どのような視点だろうか?

(1) 「主体的な学び」の視点

 学ぶことに興味や関心を持ち、自分の進路や職業などの方向性と関連付けながら、見通しをもって粘り強く取り組み、事故の学習活動を振り返って次につなげるような学びになっているかという視点。

(2) 「対話的な学び」の視点

 子ども同士が目標を共有し、力を合わせて活動をしたり、先生や地域の人との対話や先人の優れた考え方を手掛かりに考え、自分の考えを広げ深めるような学びになっているかという視点。

(3) 「深い学び」の視点

 各教科等で、その教科等なりの「見方・考え方」を学ぶだけでなく、様々な教科等で学んだ見方・考え方を相互に関連付け、自分なりに問題を見出し解答を導きだせるような学びになっているかという視点。

 このように子どもたちが能動的に学び続けるという視点から、「何を学ぶか」だけでなく、「どのように学ぶか」を重視して、学校の授業を改善する。子どもたちが学んだ一つ一つの知識がつながり、「分かった」「面白い」と思える授業、周りの人たちと共に考え、新しい発見や豊かな発想が生まれる授業等を工夫して、子どもたちの資質・能力を育む。

 Q6. 家庭では何ができるか?

 A. 各家庭でも熟考を:

 子どもたちに必要な資質・能力を育むためには、学校の授業だけではなく、家庭や地域の人たちの理解と協力が不可欠である。学校で学んだことを日常生活で活用したり、家庭や地域での経験を学校生活に生かしたりすることが非常に大切である。

 各家庭では、新しい学習指導要領の考え方や、子どもたちが学校で学んでいることに関して、子どもたちと話したり、一緒に考察したりすることが必要である。保護者の働きかけがある子どもは、学力が高い傾向がある。各家庭での働きかけが、子どもたちの「生きる力」を育む力になる。

 文部科学省「学習指導要領ウェブサイト」では、新しい学習指導要領のポイントが明確に解説されている。ぜひ一読すると良い。