令和義塾🛡中高生・高卒生・教員・留学志望者のための学習塾

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「生きる力」「確かな学力」の整理🐈

 平成29年度および30年度に学習指導要領(以下、新要領と称す。なお、それ以前の学習指導要領を旧要領と称することにする。)が告示され、施行は令和3年および4年となっている。個人的には、平成10年度改定の学習指導要領から言われ始めた「生きる力」およびその中の3要素の一つである「確かな学力」が、令和に入ってから初めて施行される新要領で、どう位置付けられているのかが氣になって、注視してみた。

 平成10年度改定の学習指導要領では、生きる力は3つの要素(確かな学力・豊かな人間性・健康及び体力)により支えられていたといえる。これら3つの要素を総合的にとらえたものが「生きる力」であり、この生きる力を知の側面からとらえたものが「確かな学力」であった。この「確かな学力」は、知識や技能に加え、思考力・判断力・表現力などまでを含むもので、学ぶ意欲を重視した、これからの時代の学習者に求められる学力であった。 

 新要領では、育成すべき資質・能力は3つの柱(「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性等」)で表される。文部科学省は、これら3つの柱が、児童・生徒の確かな学力・豊かな心・健やかな体の育成を支えると考えている。よって、各学校では、学校教育全体および各教科等における指導等において、3つの柱のバランスある育成を通じ、児童・生徒の「生きる力」の育成に努めることが求められる。

 要するに、旧要領では「確かな学力」「豊かな人間性」「健康・体力」が「生きる力」を支えていると考えられていた。新要領では「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性等」が従前で言われていた「生きる力」を支えていると考えている。比較してみると、旧要領ではいわゆる「知・徳・体」が基盤にあり、一方で新要領では「知」が複眼的にとらえられ、「徳」への焦点は変わらず、「体」への注目が若干薄らいだ感を受けた。

 これについては、「健康・体力」の重要性が減じたというよりは、以前にも増して「知」の重要性が高まったと言えるかもしれない。現代が情報化社会から知価社会に移行しつつあると言われている昨今、過多ともいえる情報を取捨選択していく必要性に、学校も迫られているのかもしれない。もっとも、それには学習者や保護者自身も、意識を高く保つ必要があることは言うまでもない。

 個人的には、権威あるもの(専門家やマスコミ等)が主張しているからと言って、それらをうのみにすることはオススメできない。自分の頭のみならず、心身や感覚を総動員して、判断をする機会が増えているのかもしれない。